2002年4月より改正された測量法が施行され、日本における公共測量には世界測地系(WGS84相当)に基づく緯度経度が使用されます。
カシミールにおいては、世界測地系を含む世界の125の測地系に対応していますので、とくにバージョンアップなどをすることなく、そのままお使いになれます。
ここでは想定される疑問点を書いておきます。
最初に一言だけ。
カシミールで世界測地系を表示したい方へ。
[編集]メニューに[地図測地系の変更]というのがあります。
こちらは、ぜったいに変更してはいけません。
これは自分で地図を作る人のための設定です。
表示に使う測地系を世界測地系にするには、6を見てください。
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1.測地系ってなに?
すごく簡単にいえば、地球上の番地(住所)の付け方です。
地球上の番地とは、緯度と経度のことです。
地球が完全な球体であれば、番地の付け方も簡単で一つに決まるでしょう。
でも、地球は完全な球体ではないので、番地の付け方にもいろいろな方法があるのです。
今までは世界各国でそれぞれ独自の番地の付け方を採用して地図を作っていました。でもそれではお互いにやりとりするときに都合がわるいので、統一した番地の付け方が必要になったのです。
詳しく知りたい方は、国土地理院の解説をお読みください。
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2.世界測地系への移行とは?
日本の地図は従来、独自の番地の付け方(日本測地系[TOKYO])を使って作られていました。
世界測地系への移行とは、この独自の方式をやめて、世界共通に使える方法を使おう、というお話です。
日本では、この4月から公共測量を行う時は、必ずこの世界共通に使える方法を使わなければならなくなりました。
これは法律で決められました。
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3.なにが変わるの?
番地が変わったからといって、家の形や町並みが変わるわけではないですね。
単に、数字が変わっただけなのです。
地図の例でいえば、いままでの富士山の山頂の緯度経度は北緯35度21分27秒、東経138度43分50秒でした。
これを今度の新しい番地の付け方である世界測地系で測定すると北緯35度21分39秒、東経138度43分39秒になります。
でも、地図に描かれている内容には変化がありません。
いままでの日本測地系(TOKYO)で表示
WGS84での表示。緯線経線の位置が移動して緯度経度の数字が異なります.
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4.気を付けることは?
しばらくの間は、世界測地系と従来の日本測地系が、混在する時期が続きます。
ここで、重要なのは、緯度経度の数値だけを伝える時は、必ずどの測地系の数値なのかをはっきりさせることです。
富士山の山頂の緯度経度を伝える時に、北緯35度21分39秒、東経138度43分39秒だけを伝えたのでは、それがどちらの測地系の数値なのかがわかりません。もしこれを従来の日本測地系だと解釈してしまうと、実際の位置よりも北西に400mもズレた位置になってしまいます。
世界測地系の数値なのか、日本測地系(TOKYO)の数値なのかを示しましょう。
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5.カシミールではどうなの?
カシミールでは、今まで通りにお使いください。
カシミールでは、測地系の異なったデータを混在して使用することができます。世界測地系の富士山の位置も、日本測地系の富士山の位置も、同じ富士山山頂を示してくれます。
GPSの測地系が何に設定されてあっても、通常は気にせず使用できます。
これを可能にしているのが、地名やGPSデータのプロパティにある、[測地系]の設定です。
緯度経度のデータと、この測地系の設定が正しい組み合わせになっている限り、カシミールでは、どのような測地系のデータでも正しく扱えます。
逆にこの測地系を勝手に変更すると、とんでもない位置にデータが動いてしまいます。
GPSなどから読み込んだデータなどは、最初に設定されている測地系から変更しないでください。また、マウスで作成したデータも、最初から正しい設定値になっていますので、変更してはいけません。
もし、紙の地図などから緯度経度の数値を読みとって、カシミールに入力するような場合だけ、その紙地図にあった測地系を選び直してください。
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6.世界測地系で表示したい!
通常、カシミールではマウス位置の緯度経度や、データ入力時の測地系は、従来の日本測地系(TOKYO)に設定してあります。
世界測地系を通常使う測地系にしたい時は、カシミールの右側にあるダイアログパネルの表示測地系を[WGS-84]か[JGD2000]にしてください。
JGD2000の方が正確ではありますが、その差は極めて小さいので、GPSなどでも共通に使えるWGS-84の方が便利でしょう。
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7.数値地図を買い換えないといけませんか?
その必要はありません。
測地系が変わったからといって、地図の内容が変わるわけではありません。
変わるのは地図に書かれている緯度経度です。
カシミールでは、従来の数値地図を使用していても、上記のように地図上の緯度経度の表示を世界測地系にすることができますので、全く問題なく使用できます。
山旅倶楽部の地図についても同様に従来通りご使用になれます。
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8.測地系を変換したい!
今まで使っていた、日本測地系(TOKYO)の地名データやGPSデータは、今後も問題なく使用できます。
でも、どうしても世界測地系の値に変換しないと気が済まないという、律儀な方もいらっしゃるかと思います(^^)。
そのような場合は、データのプロパティにある[測地系変換]で変換することができます。
複数のデータを一度に変換したい場合は、データの一覧で変換したいデータを[CTRL]キーを押しながら選択状態にして、右クリックからプロパティを選択すれば、一度に変換することができます。
この場合も必ず[測地系変換]のボタンを押してください。[測地系変更]の方は直接いじらないでください。
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9.やってはいけないこと!
カシミールの[編集]メニューに[地図測地系の変更]というのがあります。
こちらは、ぜったいに変更してはいけません。
これは地図を自分で作ったりする人のためのものです。数値地図や山旅倶楽部の地図を使う場合は、この設定を変えるとすべてがおかしくなります。
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測地系の変換誤差について -- 厳密なおはなし。
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