9.1 可視マップの計算(1)
(1)地形データの準備可視マップをカバーする地形データを準備します。(2)計算の準備
必要な地形データは可視マップの中心となる山から、計算したいところまでをカバーするものが必要です。途中が抜けているとそこは海として計算しますので、実際には見えないところが「見える」と判定されることがあります。
国土地理院発行の数値地図250mメッシュ(標高)を使えば、通常使う程度の用途には十分です。マニア向けには50mメッシュを使えばさらに計算精度は高くなりますが、計算時間も増大します。
国土地理院の数値地図の他にはUSGSの30秒メッシュ(30 arc-second demdcw)、「フリー数値地図(250m/1km)」でも広範囲をカバーできますが、精度は落ちます。
名前のある山について計算するのであれば、地名データベースを併用すると便利です。(3)計算の設定をする
こうしておくと、山の名前を指定するだけで計算の設定ができますし、できあがった「可視マップ」を表示するときには山名や地名も表示してくれます。マウスを使って地図上の一点を指定して、その地点についての可視マップを計算することもできます。
この場合は地図上の一点を右クリックして、メニューで[可視マップ]-[計算中心]を選択してください。地名のある場合はその場所がフォーカスされるようにマウスを動かしてクリックすれば、地名データベースに基づいた正確な位置が入力できます。
[ツール]-[可視マップ]-[計算の設定]を選択します。(4)計算を開始する
計算の中心となる、山の名前、位置、標高を入力します。(2)でマウスで選択した場合は入力の必要はありません。
地名データベースを開いていれば、左下のリストボックスのなかから、該当する山の名前を探せば自動的に位置が書き込まれます。
リストボックスでは、山の名前の先頭の一字(富士山ならば「フ」)に対応するキーを押すと、その位置にジャンプします。続いて、計算範囲をkm単位で入力します。
最後に計算の精度を決めますが、マニュアルで設定したい方以外はここで設定しなくても良いでしょう。
設定が済んだらOKボタンを押して下さい。
[ツール]-[可視マップ]を選択して、[高精密に計算]、[精密に計算]、[高速に計算]、[粗く計算]のいずれかを選択して下さい。計算の精度が上がるほど計算時間は長くなります。(5)計算を中止する
目安として、[高速に計算]と[精密に計算]では計算精度が目ではっきりわかるほど差が出ますが、[精密に計算]と[高精密に計算]では、良く見ないとわからない程度の差になります。ただし、計算時間は[精密に計算]の方が早くなります。[高精密に計算]では球面上で見通し判定を行いますので、遠望では正確なマップが描けます。また、[粗く計算]ではメッシュのサイズを粗くして計算します。[ツール]-[可視マップ]ー[計算の設定] で計算精度をご自分で設定した場合は、[ツール]-[可視マップ]ー[マニュアル設定計算]を選んで下さい。
ここでの計算は中心となっている山から円形の地域を計算しますが、ある特定の地域だけを計算したい場合には (4)指定した部分のみを計算する を参照して下さい。《注意》
a)計算を開始したのに計算表示画面が出ないで終わってしまったような場合には、計算対象となる地域が無い場合です。
たとえば、
・該当する地域の「数値地図」を登録していない。
・「続きを計算」を実行したとき、すでに計算範囲をすべて計算し終わっている。b)「数値地図」を登録していない部分は、すべて海として判断します。
計算を途中で中止するには、[ツール]-[可視マップ]-[計算の中止]を選択して下さい。(6)計算結果の保存
中止した場合はその段階での「可視マップ」を表示します。
計算した結果は「可視ファイル」としてファイルに保存しましょう。(7)続きを計算
[ファイル]-[上書き保存]-[可視マップ]を選びます。
保存するファイル名(通常は拡張子を .VAM とします)を入力すればOKです。
「可視データ」の収められているファイルの名前には .VAM という拡張子がついています。
計算が1日で終わらなかったときなどは、一旦計算を中止し、(5)の保存を行った上で、後日続きを計算することができます。
[ファイル]-[可視マップ]-[可視データを開く] を選択して、(5)で保存したファイル名を選びます。そして[ツール]-[可視マップ]-[続きを計算] を選択すると、前回の続きを計算し始めます。
なお、このとき、[ツール]-[可視マップ]ー[計算の設定] を選んで計算の設定を変えることも可能です。
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