ランドサット衛星画像を使う
Landsat Imagery (TM, ETM+)


 アメリカの打ち上げた地球資源観測衛星「ランドサット」は現在まで7機が運用され、膨大な画像データが蓄積されています。

 このランドサット衛星画像のうちここ数年撮影されたTM画像、ETM+画像がアメリカのメリーランド大学のWEBサイトから無償で入手することができます。
 カシミールの『USGS地図プラグイン』を使用すると、同サイトで公開している衛星画像をカシミール3Dで読み込むことが可能です。

 GLCF(ESDI) (メリーランド大学)
 http://glcfapp.glcf.umd.edu:8080/esdi/index.jsp

GLCF(ESDI) 最新ニュース
・TM画像が追加されました。北海道の東側など抜けていた部分が追加されています。(2/25)
プラグイン最新ニュース
・ETM+画像の解像度を2倍にする機能を搭載しました。詳しくはコチラ。(2004/05/11)

 同サイトの衛星画像はほぼ全世界をカバーしています。
 TM,ETM+画像の解像度は30mです。また、画像にはオルソ化してあるものもあります。

 ランドサット衛星は可視画像のほかに赤外線画像など、7〜9種類の波長で撮影しています。このプラグインではすべてのバンドをXEM型式(カシミール専用の圧縮ファイル)のファイルにまとめ、カシミール上で見たい波長を自由に割り当てて見ることができます。

 もちろん、必要な波長のみのデータだけを使うこともできます。
 画像はすべて結合してシームレスに使用可能です。

 ランドサット概要(日本語)
 ランドサットETM+センサーの解説(日本語)
 ランドサットTMセンサーの解説(日本語)
 TMセンサーのやさしい解説(日本語)

この処理には非常に多くのメモリを必要とします。最低でも 256MB 以上のメモリが必要です。メモリが足りない場合は、非常に処理が遅くなるか、途中でエラーになることがあります。

このランドサット画像と[USGS地図プラグイン]に関しては、一切のサポートはしません。画像の利用用途を含め、自己責任で使用して下さい。

Last updated 03.Feb,2012

[ランドサット画像の高解像度化機能][プラグインダウンロード][HOME]

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南アルプス南部
笊ケ岳から南アルプス南部を望む。TM画像を50mメッシュに貼り付けた。

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カラコルム山脈付近
カラコルムの氷河群。ETM+画像をSRTM-3に貼り付けた。

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桜島(中間赤外画像)
TMのバンド7を赤に割り当てた中間赤外画像。桜島の火口が赤く燃えている。

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カナダ・バンフ国立公園
カナダのバンフ国立公園上空より俯瞰。ETM+画像をSRTM-3に貼り付けた。

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チベット高原
チベット高原のマンダハタ山。遠くはマナサロワール湖やカイラス山。ETM+画像をSRTM-3に合成した。

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ユングフラウ南面
アイガー、ユングフラウ、グレッヒャーホルン、から流れ出た3つの氷河が合流したGrosser Aletschgletscher氷河。TM画像をSRTM-3に貼った。

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ウインドリバー山脈
アメリカ・ウインドリバー山脈。植物を赤色で示すフォールス画像

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大雪山
層雲峡上空からの大雪山。TM画像を50mメッシュに貼り付けた。

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カムチャツカ半島の火山
カムチャツカ半島の火山。ETM+画像をSRTM-3に貼り付けた。

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カナダ・コロンビア氷原
カナダ・コロンビア氷原を俯瞰。ETM+画像をSRTM-3に貼り付けた。

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カムチャツカ半島
カムチャツカ半島のETM+画像。トゥルカラー。

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ウインドリバー山脈を遠望
アメリカ・ウインドリバー山脈を遠望。フォールスカラー。

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ハワイ・マウイ島
ハワイ・マウイ島の山頂部を俯瞰。白いのは雲。ETM+とSRTM-1。

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アンデス山脈の火山
アンデス山脈の火山。ETM+とSRTM-3。

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富士山
TM画像に北海道地図の10mメッシュを合成(平15、総使第140-208号)。

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氷河のせめぎ合い
アラスカ氷河国立公園。TM画像。


 ランドサット衛星画像を使用するには、下に書きました手順で使用してください。
 なお、ファイルの解凍やエクスプローラが使える知識、ホームページを理解する程度の英語力が必要です。


  1. データを入手します。
    下記のサイトより必要なデータを入手して下さい。

    GLCF(ESDI) (メリーランド大学)
    http://glcfapp.glcf.umd.edu:8080/esdi/index.jsp

    上記サイトの説明にある通り同時にダウンロードするファイルは1つにしてください。ダウンロードソフトなどで同時に複数のファイルをダウンロードすることは禁止されています。もしそのようなことをした場合は、IPアドレスが記録されてダウンロードできなくなるようです。

    <ダウンロード方法>
    • WEB上での操作方法はWEBの説明を見て下さい。地図上からダウンロードする範囲を選べます。日本語の手順例はこちら
    • 同じ場所でも撮影時期の違う物が複数ある場合があります。
    • TMまたはETM+のみ使用可能です。Mosaicは使用不可。
    • いくつかのファイル種類が混在しております。種類によって必要なファイルが異なりますので、下記を参照してダウンロード下さい。画像は圧縮されているので解凍します。

    <必要なファイル>
    ■メタファイルは必須で、画像本体は必要なバンドのみでOKです。バンドはあとから追加することもできます。なお、可視波長だけならバンド1〜3、ナチュラルカラーやフォルスカラーを見るならバンド2〜4が必要です。
    バンドの説明は上の方のTMセンサー、ETMセンサの解説を読んで下さい。

    ■メタファイルをダウンロードすると拡張子が txt になることがありますので、その場合リネームで .txt 以下を削除してください。
    GeoTIFF系(メタファイルが無くても可)
    メタファイルxxxxxx.met または xxxxxx_MTL.TIF または xxxxxx.ip3 画像本体xxxxxxx_x1x.tif 〜 xxxxxxx_x8x.tif
    数字がバンドを示す。
    L1G系
    メタファイルxxxxxx_MTL.L1G 画像本体xxxxxxx_x1x.L1G 〜 xxxxxxx_x8x.L1G
    数字がバンドを示す。
    FST系
    メタファイル バンド1〜バンド5およびバンド7
    xxxxxx_HRF.FST
    バンド8
    xxxxxx_HPN.FST
    バンド6−1,6−2
    xxxxxx_HTM.FST
    画像本体xxxxxxx_x1x.FST 〜 xxxxxxx_x8x.FST
    数字がバンドを示す。

    [例]
    ・メタファイル p072r19_5t910830.met
    ・画像本体 p072r19_5t910830_nn1.tif(バンド1)

  2. ダウンロードしたデータが圧縮されている場合は解凍し、同一のフォルダに置きます。

  3. 画像の変換
    カシミールで扱えるXEM形式に変換します。
    『USGS地図プラグイン』が必要ですので、ダウンロードしてインストールしてください。

    エクスプローラからメタファイルのうち1つをカシミールにドラッグ&ドロップします。(TIFファイルのみの場合はTIFファイル)
    メニューの[ツール]-[ランドサット衛星画像]-[ランドサット画像の変換]からも指定できます。

    [同じ拡張子のメタファイルをすべて変換する]にチェックを付けると同じ拡張子のものを一度に変換できます。異なった拡張子のものがあればあとから分けて行って下さい。

  4. 解像度の指定
    [次へ]をクリックすると解像度の指定になります。
    4種類から選べます。

  5. バンドの設定
    [次へ]をクリックするとバンドの指定になります。
    通常はファイルが存在するバンドをすべて読み込みます。
    もし、ファイルがあるものの読み込みたくないバンドがある場合だけ、ここで不要なバンドのチェックをはずしてください。
    チェックが付いていてもファイルが無ければ読み込みません。

  6. 位置の修正
    [位置の修正]では画像の位置をメートル単位で微調整できます。
    画像の位置は通常は自動的に適切な位置に配置されます。
    しかし、標高データと重ね合わせたときに、ズレがみられることあり、これを解消するために、ユーザ側で位置を微調整できます。

     調整は設定された位置をもとに東西南北にメートル単位で調整します。
    数値がプラスのときは東または北方向、マイナスの時は西または南方向への調整になります。
    調整は読み込み時のすべての画像に適用されますので、画像毎に調整量を変えたい場合は、1つ1つ読み込んで、設定値を変更してください。

    なお、実際には標高データが本来の位置からズレている場合があります。(50mメッシュの島嶼部などでズレが大きい)
    標高データに合わせたからといって、絶対的にズレがないとはいえません。

  7. 出力先の指定
    [次へ]をクリックするとXEMファイルの保存先の指定になります。
    XEMファイルはどこに置いても構いません。また、以前の出力に合成したい場合でも、前の出力先と変えても合成されます。(逆に合成しないようにはできません)

  8. 変換スタート
    [次へ]をクリックすると変換が開始されます。

    変換中に途中で中止した場合は、そこまで変換した部分は使えます。

  9. 完了
    変換が終われば変換後のXEMファイルを開くことができます。

    XEMファイルはエクスプローラからカシミールへドラッグ&ドロップしても開くことができます。その場合、該当するXEMファイルをすべて選択してドロップしてください。

    上記の登録は1回のみ行えばよく、次回から開く場合は、下記の手順で行ってください。

    [ファイル]-[地図を開く]で[ビットマップ地図]のカテゴリに登録されますので、それを選択する。

    [例]
    ランドサット TM 1/1 ← ランドサットTM画像1倍解像度
    ランドサット ETM+ 1/2 ← ランドサットETM+画像1/2倍解像度

    また、ファイルを直接指定する場合はカシミールのフォルダの下の DIM フォルダにある、BF2P8L4FB7B6Eで始まる名前のファイルです。

    • 画像はすべて結合しますが、写真毎に色味の違いや階調に差があることがあります。
    • 画像のコントラスト、明るさ、ガンマの設定が変更できます。また、表示するバンドについても設定できます。詳しくは「その他の機能」の解説を見てください。

    • デフォルトではバンド1〜3までの設定になっています。該当バンドがない場合は真っ黒になることがありますので、設定を変えてください。

    • 画像の本体はXEMファイルです。
    • XEMファイルの保存先を変更した場合は、もう一度カシミールへD&Dすれば使用可能になります。

注意事項

  • この処理には非常に多くのメモリを必要とします。最低でも 256MB 以上のメモリが必要です。メモリが足りない場合は、非常に処理が遅くなるか、途中でエラーになることがあります。

  • ETM+のバンド8については1/2解像度に縮小されます。高解像度化機能を使うと15mのままで作成できます.
  • ETM+のバンド6については2倍解像度に拡大されます。
  • TMのバンド6については4倍解像度に拡大されます。

  • 画像によっては飛行場などのエッジにギザギザしたジャギーがありますが、これは元画像がそうなっています。このプラグインの処理結果の影響ではありません。

  • 画像の本体はXEMファイルです。
    XEMファイルの保存先を変更した場合は、もう一度カシミールへD&Dすれば使用可能になります。

  • なんらかの理由でXEMファイルの登録を解除したいときは、[ファイル]-[地図の保存先・容量の設定]で「ランドサット画像」または「BF2P8L4FB7B6E」を選んで削除してください。なお、XEMファイル自体は削除されませんので不要であればエクスプローラで削除してください。

その他の機能

  1. バンドの設定、画像(全体)の調整
    表示するバンド、画像全体のコントラスト、明るさ、ガンマを変更できます。
    [ツール]-[ランドサット衛星画像]-[ランドサットの設定]を選ぶと設定を変更できます。ここでの設定はすべての画像に適用されます。画像単位での設定は次項を参照して下さい。ダイアログパネルからも可能。
    あらかじめプリセットの設定がありますので、それから選んでもOKです。
    表示するバンドはどのバンドをR,G,Bのどれに割り当てるかを決めます。

    明るさ、コントラスト、ガンマは画像の見やすさを変えます。

    設定はTM,ETM+別に名前を付けて保存できます。

    ※画像の調整は次のようになります。
    最終画像=画像単位での調整+全体の調整


  2. 画像単位での調整
    元の画像毎に色味やコントラストが異なったりすることで、隣り合った画像に著しい差が生じることがあります。
    元の画像単位でも明るさやコントラスト、ガンマの調整が可能です。

    調整したい画像の上で右クリックします。

    [ランドサット衛星画像]-[ここの画像を調整する]を選びます。
    明るさ、コントラスト、ガンマを調整して下さい。

    [隣接画像に合わせる]ボタンをクリックすると、隣り合った画像のコントラスト、明るさに自動調整します。(撮影季節の違いによる色味までは合わせられません)


    ただし、プレビューに隣の画像が表示されていることが必要です。できるだけ境界に近いところで右クリックしてください。プレビューに半分くらい隣が表示されているのが理想です。(プレビューの範囲はかならずしもクリックした位置が中心にはなりません)

    ※画像の調整は次のようになります。
    最終画像=画像単位での調整+全体の調整


    ※Ver2.0.1以前のプラグインで変換した画像は調整できません。もう一度変換し直してください。

    ※画像の調整情報はカシミールの Plugin\Landsat フォルダのMaster.binファイルに保存されているので、これをコピーすれば他のPCでも同じ設定を使用できます。

    ・バンド毎に画像の境界が異なる場合、画像境界が正しく認識出来ません.
    ・後からバンドを追加する際に前の画像調整設定がクリアされることがあります.
    ・XEMファイル1つあたりで認識出来る画像の数には上限がありそれを超えると調整出来ない画像が発生します.


  3. 画像情報の表示
    元の画像の撮影日付とPath/Rowの情報を表示できます。

    表示したい画像の上で右クリックします。[ランドサット衛星画像]-[ここの画像情報を表示する]を選びます。

    ※Ver2.0.1以前のプラグインで変換した画像は調整できません。もう一度変換し直してください。

  4. バンドの追加
    すでにXEMファイルにした画像にあとからバンドを追加できます。
    追加したいバンドの画像ファイルと、メタファイルを用意して通常の方法で変換するだけで、自動的に追加されます。(すでに追加済みのバンドのファイルは用意する必要なし)

  5. インデックスの表示
    どの地域がダウンロードして登録済みかわからなくなることがあります。
    現在登録済みのXEMファイルの範囲を表示することができます。

    なお、表示はXEMファイルのカバー範囲ですので、真っ黒の部分もありえます。実際に画像があるかどうかとは完全に一致していません(包含関係は保証されます)のでご注意下さい。

    1. 小縮尺の地図を用意します。なんでもかまいません。
      以下のいずれかの地図がよいでしょう。(基本的に同じ物)
      • SRTM30(無料)
      • カシミール3D 3冊セット付録世界地形データ
      • 山旅倶楽部 世界地図

    2. [ツール]-[ランドサット衛星画像]のなかからインデックスを表示したい解像度を選びます。(解像度毎の表示で同時にはできません)ダイアログパネルの「ランドサット画像」パネルでも操作可能です。

      [標準インデックス表示] ← 1倍
      [1/2 インデックス表示] ← 1/2倍
      [1/4 インデックス表示] ← 1/4倍
      [1/8 インデックス表示] ← 1/8倍

    3. 画像のあるところが色分け表示されます。
      緑 TM画像
      赤 ETM+画像
      白 TM/ETM+の両方

    4. 解除するにはもう一度選択して下さい。

参考事項

  1. 標高データ
     衛星画像に重ねる標高データには、スペースシャトル地形データが手っ取り早いです。
     重ね合わせるには、[編集]-[標高データの重ね合わせ]を使って下さい。

  2. 高緯度での表示
     高緯度で緯度方向(縦方向)が潰れるときは、[表示]-[表示の設定]で[画面表示]タブを選び、[縦横比を補正する]にチェックをつけてください。Ver 8.0.7.18069 以降であれば正しく補正されます。



このページの問い合わせはDAN杉本まで.
Copyright(c) 2004 SUGIMOTO Tomohiko.

この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図200000(地図画像)、数値地図50000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)、数値地図250mメッシュ(標高)、数値地図50mメッシュ(標高)、数値地図10mメッシュ(火山標高)及び数値地図5mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平15総使、第241号)