22.1  可視マップの特性

 使用している「数値地図」の性質により、可視マップあるいは可視判定に誤差が生じることがあります。たとえば、Aという山を基準にして計算した可視マップの上で、Bという山が「見えない」と判断されたとき、逆にBという山を基準にして作った可視マップでA山が「見える」と判定されることがあります。

 見通しの判定はどちらを基準にとっても同じ結果になるはずです。このような結果が出るのは「数値地図」がその地点の正確な標高を表していないことによります。たとえば、槍ヶ岳の標高は3180mありますが、「数値地図」上の槍ヶ岳の地点の標高はこれよりずっと低い標高になっています。このため、実際には「見える」地点でも「数値地図」上は「見えない」と判定されることがあります。

 2地点間の見通し判定のみでしたら、[ツール]-[可視マップ]-[一発判定]を使うと2点の標高は正確な値を使用できますので、以上のような誤差を軽減することが可能です。
 また、可視マップを双方の地点から作成して判定することも有効です。

 「カシバード」でも同じような影響が出ます。ただし、「カシバード」で山名を表示したときの引出線の末端は、正確な標高を表していますので、見えるか見えないかの判定をこの引出線の末端が見えているか否かで行うことも可能です。
 また、[設定]-[地名の設定]のなかの[見えない山を表示しない]のチェックボックスをチェックすると、見通しできない地点の地名は表示しません。

 「数値地図」の標高値はメッシュ内の中心標高点を基準にして作られていますので(平均標高を使用するものもあります)、実際の地形とは差異が生じます。したがって、実際には「見える」地点が可視マップでは「見えない」と判定されるときもあります。この逆も起こり得ます。可視マップあるいは可視判定の結果を使用する際には、この点に十分ご留意ください。


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